かごしまんまだより

平成28年8月9日 かごしまんまだより


【いつのまにか高級野菜になってしまったトウモロコシやトマト】

1つの野菜を作るには、収穫するまでに2ヵ月から半年くらいかかります。
この間に病気や虫や梅雨や台風や霜などの様々な試練を乗り越えて収穫にこぎつけるわけです。

生産者さんの収入は収穫の時にしかありませんので、一般的な生産者さんはなんとか収穫できるように農薬を使って病気や虫を防いだり、ハウスやマルチなどの設備を作ったりします。
農薬をなるべく使わない生産者さんは、あまり農薬を使わないでもいい品種を栽培したり、病害虫の天敵を畑に投入したり酢等を使用します。

それでも、梅雨の長雨や台風や霜などで一気に畑ごと全滅して収入が0になってしまうこともしばしばあります。
ですから収穫できないリスクが高い品種は、どの生産者さんも作らなくなっていきます。

夏野菜の代表格であるトマトは意外にも高温・多湿に弱くて、栽培中に支柱を立てたり水分量を調整するためにシートを張ったりと作業量も多いので大変な上に、病原菌にもやられやすいので無農薬・減農薬で大量生産するのは本当に大変で、真夏の鹿児島ではなかなか生産されません。

トウモロコシは甘くておいしいので、細菌や虫や野生動物(タヌキ等)も大好き。
大量生産するには農薬を使わないのは困難です。
そして動物対策はネットや柵や電流柵など大がかりな仕掛けが必要です。
このネットや柵を作るも大変ですし、人間もネットが邪魔で管理や収穫が大変。
またせっかく苦労してそれらを作っても、トウモロコシは背が高いので台風や豪雨で倒れてしまいます。
苦労して収入0では作りたくなくなりますね。

そうして生産者はだんだんと、つくりやすく、売れやすく、収益が出やすい品種にシフトしていきます。

ニラはあまり虫が付かないので比較的農薬を使わない栽培が可能ですが、葉先が黄色く変色しやすく、綺麗な緑色で折り目やキズがないまっすぐな葉とそうでない葉を選別して束ねていく作業が非常に大変な割にはあまり高い値がつかないので、鹿児島ではニラ農家さんはめったにいません。

ズッキーニも雨に弱いので生産者さんがあまりいません。

また、受粉作業が必要な野菜は敬遠されます。農業は若い人がやりたがらないのでどんどん高齢化が進んでいるからです。(ミツバチが昔のようにたくさんいたら腰に負担のかかる受粉作業は必要ないかもしれません。)

昔は、家に帰ればゆでトウモロコシがテーブル上のお皿に山になっていたものです。
トマトもたくさん食べた記憶があります。
今では全国的にトウモロコシは高く珍しいものになりつつあります。
トマトも果物並みのお値段になっていますね。
これら作りにくい野菜の生産者さんが年々減少している証のような気がします。

TPPの波が迫る今、海外産の安くてきれいで遺伝子組み換えのトマトやトウモロコシがスーパーを席巻する日は遠くないと思います。
もちろん現在でもスーパーにある安くてきれいな大量生産のトウモロコシやトマトは農薬を多量使用していると容易に想像できます。
そうでないと収穫できないし売れないし収益が出ないから。

どんどん、日本の農業が衰退していくのを肌で感じます。
「きれいで安い野菜を買う」人が圧倒的多数の日本では、虫がいたり穴が開いていたり曲がっていたりキズがあったりシミがあったりする本当に安心で美味しい野菜を作る生産者さんはどんどんいなくなってしまうことでしょう。
自然の中で育つ野菜は、きれいには育たず、気候や環境・状況によって変化するのが当たり前なのに・・・。

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